長女あかり、他校へ殴り込みにゆく 〜第70回天童市理科研究発表会〜
僕の生まれは山形の山奥の田舎なもので同族意識が強く、他校に殴り込みに行くという粗暴な事が半年に一度の恒例行事の様によくありました。
時を経て、僕の愛娘あかりが単身他校に殴り込みに行くという出来事があり、親として胸がいっぱいになりましたのでここに記録しておきます。
夏休みの自由研究が選抜される
事のきっかけは夏休みの課題。
自由研究でも工作でもどちらでもよかったそうですが、あまり手先が器用な方ではないあかりは自由研究を選択しました。
選択したものの主題を何にするかで悩んでいた彼女のところに、バァバ陽子(6◯歳最近iPhoneデビュー)が巨大なスイカを持って遊びにやってきました。
その巨大さにびっくりしていたあかりにバァバが放った一言。
「どんなに大きなスイカでも水に浮くんだよ。」
ちょうど家族で海水浴に出かけた後だっため、バァバとしてはその話と絡めて本当に何の気無しに言ったらしいのですが、そこであかりは何かを思いついた様で、
「これ、自由研究にする!」
と言い切りました。
彼女曰く、バァバの家で作っているたくさんの野菜を水に浮かべ、浮くものと浮かないものの違いを比べるというのです。
子供ながらになかなか面白い着眼点だと思うのは僕が親バカだからでしょうか?
協力要請されたバァバも大喜びで、趣味程度に作っている野菜を提供してもらう事になり、あかりの自由研究は一気に進捗することに。
結果を元に背景や考察、結語も一人で考え抜き、無事に夏休み終了間近に自由研究を終える事が出来たのです。
夏休みが明けしばらくすると、小学校から一枚のお便り。
要約すると
「お宅の娘の自由研究の出来が素晴らしいから学年を代表して地区の理科研究発表会に出場させっからとりま覚悟しといて」
というものでした。
その日はまず通常通りに登校した後、職員室で早めの昼食を済ませ、タクシーで同市内別小学校に送迎、各地区の代表者と共に自分の自由研究を口頭発表するという、小学生にあるまじきVIP待遇が施される様です。
このお便りに我が家は狂喜乱舞、バァバに知らせるとバァバも小躍り。
娘本人に過剰なプレッシャーを与えつつ当日を迎えました。
第70回天童市理科研究発表会
当日は家人であれば見学許可が得られたので妻が動画を撮ってくれました(一番楽しみにして化粧乗りと着ていく服を気にしていたバァバ陽子は急な用事により見学断念…)。
あかりの晴れ舞台を動画でどうぞ。
感涙
グレート!
堂々と肝の座った発表です。
特筆すべきはこの自由研究、考察と結語のほぼ全てを娘が自分で考え抜いて導き出したという事実です。
水に浮くものと浮かないもの。
答えは空気の含有量だと大人なら誰でも思い浮かびますが、小学2年生ではなかなか難しいと思うのはやっぱり僕が親バカだからでしょうか?(娘曰く自由研究に取り掛かる直前に行った海水浴での浮き輪の存在が大きなヒントになった様です)
お恥ずかしながら僕自身、小学2年生時の山形県読書感想文コンクールで優秀賞を受賞(名前を漢字で書いていれば最優秀賞だったらしい)したという輝かしい経歴の持ち主です(思えばこの頃が人生の学力ピークだったなぁ…)。
なので僕自身は完全に文系人間だと自覚しておりましたので、娘が理科研究で入選したというのは不思議な感じがしましたが、同じ小学2年生時に同じ様に学校の課題で結果を出せた娘にシンパシーというかロマンを感じざるを得ませんでした。
この度の出来事で、娘だけに限らず子供の好奇心というのは凄いものだと改めて感じ入りました。
そして子供が感じる「なんで?」を活かしてあげるも潰してしまうのも我々大人次第だという当たり前の事実も目の当たりにした気がします。
回答を教えてしまうのは簡単です。
しかし回答に導くためのプロセス(のヒント)を分かりやすく教えてあげる事により、大袈裟に言えばその子の将来の性格や探究心が育まれるのではないかと思います。
事実、他のお子様の発表も見学した妻曰く、どれも大人では考え付かない素晴らしい内容だった様で、子供達の可能性についてまざまざと見せ付けられた結果となった様です。
「なんで?」
「なんで?」
「なんで?」
振り返ってみると日々いろんな疑問をぶつけてくる娘に、常に真摯に向かい合ってきたかと問われると、少し疑問に思います。
自分の都合を優先し、おざなりになってしまっていなかったかと反省しきりです。
娘にこの様な場を与えて頂いた事により、自分自身の子供への接し方や知育を改めて考えさせられた次第です。
娘や息子の知的好奇心を満たしてあげれるような接し方を心がけたいと思わせてくれた、娘の他校への殴り込みでした。
(研究発表にように)結語
難しいことをツラツラ書きましたが、娘の成長を見て目頭と胸が熱くなりました。
これから何度泣かせられるんだろうなぁ。
さすが俺様の娘、天才だわ(←号泣