【Music】Hi-STANDARDの16年半振りの新譜を買って胸が熱くなった

あまりにも突然すぎて言葉が出ませんでした。
胸が熱くなりました。
甘酸っぱい気持ちになりました。
ちょっとだけ涙が出ました。
青春時代に聴きまくったバンド、Hi-STANDARDがなんの前触れもなく16年半振りに新譜を発売。
グッときました。





Hi-STANDARDとは?

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Hi-STANDARD(ハイ・スタンダード)は、日本のパンク・ロックバンド。
PIZZA OF DEATH RECORDS所属。
略称はハイスタ。

Wikipediaより引用


90年代後期、日本ではメロディックハードコア、略してメロコアブームが起きます。
そのシーンを象徴するバンドがまさにこの Hi-STANDARD(以下ハイスタ)でしょう。
日本のパンクロックシーンを牽引したバンドがハイスタと言っても過言ではありません。
また、日本のバンドでありながらNOFX, Green Day, The Offspring, Blink-182などといった大物バンドとツアーを一緒に回ったりと幅の広い活動をしていました。
ちょうど僕と同年代で青春ど真ん中の時代に聴きまくったという方々はたくさんいらっしゃるでしょう。

初めてハイスタを聴いた時の衝撃は未だに忘れられません。
普通のどこにでもいるような兄ちゃん達が、頭をガンガンに振りながら爆音轟音でクソっ速いリフをかき鳴らしてるんです。
しかも日本人なのに全曲英詞を歌ってるんですよ。
今なら英詞を歌うなんて当たり前なんですが、当時はかなり珍しかったんです。
ネイティブの人から見れば発音とかは甘いのかもしれませんが、それがまたいいんですよね。
英語の発音とかそんな事関係無しに文句無くカッコ良かったんです。

僕は99年のFuji Rockでたった1度だけハイスタのライブを体感しました(ライブハウスのチケットはその頃すでに毎回発売直後にソールドアウトで文字通りプレミアチケットと化していたのです)。
凄かった。
あの感覚はハイスタのライブを観たことがある人じゃないと分からないかもしれません。
あの地響き、飛び散る水しぶき、野外特有の砂埃、ムワッと流れて来る熱気。
人の上に人が乗って全員が飛び跳ねてる光景、そして大合唱。
本当に凄かったとしか表現のしようがありません。

音楽好きを拗らせまくってる人がネット上で結構ハイスタのことボロクソにdisってたりもしてるんですが、あのムーブメントに乗れず売れてる音楽を包括して叩くことしか出来ない可哀想な人達だなと思う一方で、アンチがこれだけ多いということはそれだけ人気があったということの証拠かもしれません。
あのムーブメントのときに青春真っ只中だった自分はすごく運が良かったと思います。

そんな人気絶頂の中、ハイスタは2000年に活動休止状態になります(活動休止の理由はここでは書きたくありませんので割愛)。
メンバーそれぞれが別々の活動をする中、2011年東日本大震災からの復興に一役買うため、ハイスタは奇跡の復活を果たします。
主催の野外フェス「AIR JAM」のチケット約3万枚に対して20万件近くの応募があったということからも、どれだけの人々がハイスタを愛し、復活を心待ちにしていたのかが分かります。
そして2011年のハイスタ再集結時からメンバーの悲願であった被災地での「AIR JAM」開催が、1年の時を経て2012年宮城県国営みちのく杜の湖畔公園で実現しました。
被災地での「AIR JAM」開催は、その地域に住む人々を勇気付けるだけでなく、全国各地から参加者が集まることにより被災地にお金が流れること、被災地の現状に触れ参加者一人一人が今自らができることを考える機会を持てたことにおいて、とても大きな意味があったのではないでしょうか。

思い入れのあるアーティストならみんなそうかもしれませんが、僕だけでなくハイスタ好きな人はそれぞれに人生のいろんな局面でハイスタの楽曲がリンクしているはずですし、特に僕ら世代は青春時代の多感な時期にあのムーブメントが起きましたから、ハイスタ好きな方はたくさんいるはず。
とにかくいろんな人から愛されているバンドです。


16年半振りの新譜をゲリラリリース!!!

みんなが大好きだったハイスタ。
でも僕だけかもしれませんが、いくら活動再開したって言ってもハイスタの新譜は今後リリースされないんじゃないの?と心のどこかで漠然と思っていました。
しかし先日の2016年10月4日、全く何の予告もプロモーションも前振りも無く、ハイスタの16年半振りの新譜”ANOTHER STARTING LINE”がCDショップに並んでいるとの情報が、フラッとショップに立ち寄った方々からSNSへアップされ、一瞬で拡散され、僕も含めて日本中に激震が走ったのです。

武者震いがしましたよ。
事前プロモーションは一切無しでいきなり店頭に並べるというサプライズの仕方があまりにもパンクで、あまりにもあの頃のハイスタらしく、あまりにもかっこ良過ぎっ!!!
情報過多のこの時代にこの売り方って奇跡だと思うんです。
「何の予告も無く突然ネット配信」はもう世界的にひとつのスタンダードですが、何の予告も無く何の情報も漏れずに突然「お店にある」っていうのはもの凄いことです。
ハイスタの新譜がリリースなんていう大ニュース、前日もしくは当日レコードショップに情報や現品が入っているはずですから、それこそSNSなどでリークする輩もいそうなものなのに、全くもって情報が漏れなかったって本当に凄いことですよ。
情報が漏れなかった理由が「店員さんみんながハイスタ大好きだから」で済む話ならあまりにも素敵すぎる話です。
みんなどんだけハイスタ好きなんだよと。

しかもゲリラリリースにも関わらず初日だけで4.8万枚の売り上げだそうです。
握手券とか投票用紙とか付属していない、前日まで全くプロモーションすらしていないCDが初日4.8万枚でオリコン2位。
ちなみに1位は星野源さんの曲で5.4万枚ですが、ドラマタイアップで宣伝ガンガンやった挙句の1位とノンプロモーションの2位でこの差だったら相当善戦しています。
さらにちなみに、星野源さん本人は星野さんの前身バンド、サケロックを演ってた以前からハイスタ大好きらしいです。
自分が大好きなバンドの16年半振りの新譜を自分が抑えてしまったって、その心中たるやさぞ複雑でしょう。

話は逸れましたが、A◯BとかEX◯LEみたいな商法が蔓延って、ヒットチャートなど何の意味も持たなくなり、日本の音楽は死んだと誰しもが思っていたはずですが、いやいや、まだまだ全然日本の音楽終わってねーじゃねーか!と思わざるを得ない結果を残しました。

%e3%83%95%e3%82%a1%e3%82%a4%e3%83%ab-2016-10-06-22-21-21アイアム ハイスタ世代。感涙。


情報を元にレコードショップに脚を運び、店頭で実際にCD見つけた時は何とも言えない感慨がありましたし、購入する時は手が震えました。
下手すれば失神して失禁していたかもしれません。
いや冗談じゃなく本当に。

思い返せばそれこそハイスタの音源買ってた頃なんかは少ない情報拾ってショップでCD買ってたよなあ。
最近はオンラインで音源購入することがほとんどだったので、最後にこうやってショップでCD買ったのがいつなのかなど全く思い出せません。
今作は配信も通販も当月26日まで対応しておらず”実際に店頭へ脚を運んでもらう”ことが目的の一つとも解釈することもでき、配信時代へのアンチテーゼと捉えることもできそうです。
事実オンライン購入がメインだった僕のような層の脚を店頭に戻したということを考えても、ハイスタってバンドの力は未だもって全く衰えていないんだと実感できました。
ショップでCD購入して家に帰るまでの道中、ワクワクが止まらないなんて感覚もしばらく忘れてたなあ。
オンライン販売では決して味わえない感覚で、忘れていた純粋に音楽を楽しむという感覚が戻ってきた気がします。
改めてショップでCD購入するのって、なんとも言えない色気があると実感しているところです。


聴く・笑う・泣く

帰宅後は夕食も取らずに速攻でハイスタの新譜を堪能。
嗚呼、これだ。
ハイスタだ。
間違いなくハイスタの音だ。
正直あの頃のハイスタを期待すると肩透かしなのかもしれません。
それも当然の話で、彼らは活動休止していた期間も各々に音楽活動して、また活動再開した訳で、各々に蓄積されたものが詰まっているのが今作です。
ハイスタの今が今作ということですからね。
もはや今作はリリースしてくれた事に意義があると感じますし、楽曲の是非を問うのはちょっと違うかなとも思います。

でも僕の主観ですが、不思議な事に聴けば聴くほどにやっぱりハイスタなんですよね。
購入してからずーっとこの作品を聴きこんでますが、どんどん良く感じてくるいわゆるスルメ系の作品ですし、やっぱりハイスタなんですよ。
気持ちがあの頃に戻るのと、今の環境に身を置いている上でハイスタの新譜を聴くこそばゆさとが織り混ざって上手く言えない不思議な感覚に陥りました。
ハイスタ聴きまくってた頃の自分はまだ学生で、我ながら若くて幼くていろんな面で浅はかでしたが、16年半後の今、それなりに歳をとり経験も積み、何よりかけがえのない家族とハイスタの新譜を聴いているというミラクル。
ハイスタのバリバリの活動期はクソガキだった自分が、ハイスタの活動休止から16年経って、まさかハイスタの新譜を自分の妻や子供達と聴くなんて光景、全く想像していませんでした。

また、あの頃から変わったものは色々とありますが、あの頃と同じ様に自分はバンドを演っていて音楽を愛していて、変わらないものもあるという事に気付きました。
自分のライフスタイルの変わったものと変わらずにいるもの、ハイスタの新譜が考えるきっかけになりました。

そして何より、ハイスタの音楽って旧譜も新譜も変わらず、なぜか笑顔になれるんです。
昔自分が聴いてたハイスタというバンドの新譜を、自分と一緒に笑顔で聴いている子供達を見たときにハイスタの真骨頂を見た気がしました。

あー、なんかこの新譜はいろんな感情がぐっちゃぐちゃでなかなか冷静に聴けないわ。
こんな人多いんじゃないですかね?
とりあえずこの16年半でおじさんと言われる年齢になった僕は2曲目でガチ泣きしました。
12月にはカバー曲だけを収録したシングルのリリースも決まっている様で、自分にとっていいクリスマスプレゼントになりそうです。

最後に旧譜のリンクを張りますが、今作は上述の様に配信も通販も当月26日までは行わない様です。
しかし検索すると、早速転売目的で倍以上の価格で販売している輩もいます。
枚数限定の作品ではありませんし、26日前に聴きたい方はちゃんと健全にショップに行って1200円で購入してハイスタの音源を楽しみましょう。

ああ、ヤベえ、猛烈にハイスタのコピーバンド演りてえ。