Ballistics のスツールキットを天童木工製のスケートデッキに装着してみた

スケートボードをやっていると、消耗して使わなくなるスケートデッキが発生します。
ディスプレイして飾ってても絵になりますが、もっと有効な使い道はないものか?
今回はオシャレなアウトドアメーカーさんのキットを使ってデッキを有効利用してみたお話です。





使わなくなったデッキどうしてますか?

スケートデッキは消耗品。
ガツガツ滑るといずれボロボロになって交換せざるを得なくなります。
しかしそれまで乗ってたデッキは愛着も湧きますし、ボロボロになったとはいえもともと頑丈な合板です。
なかなか捨てられるモノでもありません。

ちなみにウチの子供たちが使い古したデッキは、彼らが頑張った証として全て保管しています。
いずれは彼らの部屋の壁面にディスプレイしたいのですが、壁面に穴を開けるのがまだ躊躇われるので現状は壁に立てかけています(でもここ最近の消耗っぷり、デッキ交換周期の早さだと壁面ブチ抜きディスプレイは時間の問題でしょう)。
また、僕が昔使ってたデッキは バランスボードとして再利用

調べるとデッキを壁掛け時計、本棚、ラックなど、創意工夫でリメイクする方法はたくさんあるようです。
ちなみに皆さんは使わなくなったデッキどうしてますか?


スツールとして再利用

使わないデッキをどうするか?
おそらくいろんな人がやってるリメイクだと思いますし、スケートデッキの再利用で検索すると一番多くヒットするのが、スツール(背もたれのない椅子)にすることなんです。
スケートデッキにはトラック(金具)をビスで固定する穴が前後に4個ずつ、計8個空いています。
多く見られるのは、この穴を利用して脚を取り付け、スツールにしてしまおうというリメイクです。
割とメジャーなリメイクで、いろんな形のスケートボードスツールキットが販売されています。
これを買ってしまえば解決なんですが、なんかちょっとひっかかる。
どれもいい感じなんですけど、どれもいまひとつグッと心を掴まれるモノが無いんです。
いろんなスツールキットはあれど、どれも小綺麗過ぎるといいますか…
上手く言えないんですが、もともとストリート感バリバリのスケートデッキに取り付ける脚には、同じようにストリート感バリバリ欲しいよねぇと、購入するのに二の足を踏むモノばかり(一応言っておきますがこれは僕の主観なので、既存のスツールキットをディスっている訳ではありません)。
僕は大の家具好きなんで、スツールという家具にリメイクしようと思ったら、それですらデザイン性にこだわってしまうのかもしれません。

そもそもなんでデッキを再利用しようと考えていたかと言いますと、少し前に知人の方から新品未使用のデッキを御厚意で頂いたことから始まります。
天童木工 」って知ってますか?
家具好きなら知らない人はいない、僕が住んでいる天童市が誇る世界的な超有名家具メーカーです。
僕が頂いたデッキは、その天童木工とストリートブランドがコラボした、なんとも不思議なレアデッキなんです(既製品は天童木工とそのブランドのロゴが刻印されているんですが、頂いたモノは訳あり品で刻印は無し、でも紛れも無い天童木工製)。
これ、家具好きな僕としては普通にスケートボードとして使うのに大きな抵抗がありました。
だってあの天童木工製なんだもん。
そんなモノを踏みつけて、テールスライドなんか出来るかと。
でも壮年スケーターという視点から見ると、デッキは使ってナンボ、むしろ使わなければダサいとも思えてしまいます。
だって結局スケートデッキなんだもん。
家具好き壮年スケーターの渡邊、このデッキの扱いに相当困りました。
そして捻り出した答えが
「家具メーカーのスケートデッキをスツールとして使用しちゃえばいいんじゃん?」
という誰でも考えつきそうな非常に安易な、いや、妥当な落としどころです。
でもなー、(前述のように)このデッキに合いそうなスツールキットが見当たらない…

↑ こういうの悪くはないんだよ…僕が拗らせてるだけなんだ…


Ballistics の SKATEBOARD STOOL KIT が最高にハマった

そのまましばらくいい感じのモノが見つからずにデッキを寝室の隅っこに放置していましたが、ある日 Instagram を眺めていると、好きなファッションデザイナーさんがスケートデッキをスツールにリメイクしている画像を発見。
この スツールキット は無骨でクールでカッコいい!!!
調べると、どうやら Ballistics さんというミリタリー、モーターサイクル、アウトドアをデザインベースとしているブランドのモノらしいです。

Ballistics Industries

今までくすぶって半ば諦めかけていたデッキのスツール化が一気に現実味を帯びてくるほど、僕の心に突き刺さるデザインとコンセプトでした。
スツール化した画像も魅力的でしたが、パッケージデザインがなんと、あの 7STARS DESIGN !!!(90年代初頭に音楽やファッション、スケート、モーターサイクルといった多様なカルチャーが生まれた原宿で、その中枢を担うべく、数々のストリートブランドやバンドのジャケットのデザイン制作を手掛けてきた偉大なデザイン・オフィスです)
ヤバイ、これは確実に僕を刺しにきてる。
検索したら1件だけまだ販売しているサイトがあり、運良く購入することが出来ました(僕が購入した後すぐに売り切れになっていましたので、本当にタイミングが良かったです)。

sbskit


実際に届くと前述したようにパッケージが強烈にカッコいいです。
人によって好みが分かれると思いますが、90年代に青春を過ごし、ストリートブランド買いまくって、バンドやってた僕的にど真ん中過ぎ、どうしたってこのデザインに抗うことは出来ません。
ちなみに中身をデッキに装着した後もこのパッケージは僕のパソコンデスク周りに飾っています。

tendomokko-ballistics


放置気味になってたデッキと並べて写真撮ってみます。
どちらも「本物感」がハンパない。
ある意味スケートデッキらしくない、すごくシンプルな木目のデッキに、この無骨なスツールキットを装着するとどうなるんだろ?とワクワクが止まりません。

ballistics-comp


早速開封して取り付けてみますが、もともと空いてる穴に付属のビスを突っ込んで、金具を締め付けていくだけと、何の迷いもなくとても簡単です。
想像よりも相当カッコいい見た目になって、かなり満足!!!
これはもはや立派な家具ですね。
僕がこだわり抜いて家具を購入するときの基準「良い家具は360°どこから見ても美しく、眺めているだけで酒の肴になる(当方下戸)」を完全に満たしています。

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このスツールキットの秀逸なところは脚部。
脚の部分はマグネットで着脱可能な構造ですが、取り外した脚はコンパクトにたたんで(たたんでという表現が適切ではない気もしますが)パチパチ挟んで、ちょっとした隙間に収納できます。
この状態だとかさばりませんし見た目もスマートですから、車のトランクにストックしておくのも悪くありません。
屋内だけでなく、持ち運んでアウトドアにも活かせるとてもナイスな仕様となっています。

ballistics-on-taro

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自宅では来客時の追加テーブルやディスプレイラック、テレビ台としてなどとして、キャンプでは使い勝手の良いチェアやローテーブルとして、場所を問わず、いろいろと活躍してくれそうな感じです。
もちろん出自がスケートボードですから、強度も充分で大人が上に立っても大丈夫ですし、子供なら2人くらい座ってもOKな感じがします。
洒落っ気たっぷりな脚立やベンチとしての役割も期待できそうです。

prouve-ballistics


ちなみに僕が愛してやまない工業デザイナー、ジャン・プルーヴェさんデザインの椅子2脚の間に置いてみました。
たまたまなんですがカラーバランスが統一されていて、全く見劣りしないサイドテーブルとしてインスタ映えしています。
美しい。

頂いたのはいいけれど、今まで日の目を浴びずずっと“秘蔵”のコレクションだったお気に入りのスケートデッキに、ようやくスポットライトを当てることが出来ました。
しかもかなり実用的なファニチャーとして。
中途半端なスツールキット買わなくて辛抱しててよかったです。
かなり気に入りすぎて屋内専用と言いたいところですが、せっかくコンパクトにできる仕様ですから、これからの季節柄キャンプなんかのソトアソビにも持っていってガンガン使ってあげたいなと思っています。