壊れていたカルティエパシャCの留め具が銀座店持ち込みであっさり直りました
もう10年以上も前に購入したカルティエのパシャC。
ある時期から留め具が壊れてしまってましたが、あっさりお直ししてもらいましたのでその顛末を。
カルティエパシャCの留め具は壊れやすい
皆さまご存知の高級ブランド カルティエ 。
宝飾品が有名ですが、腕時計のラインも同じくらい有名です。
いわゆる時計専門メーカーの時計よりもエレガントで美しく、さすが高級宝飾屋さんといった印象です。
当然金額も高額になりますが、清水の舞台から飛び降りる気持ちで38mmのパシャCを購入したのを覚えています。
あまりにもカルティエの時計が気に入りすぎて、その後彼女(現妻)にも同じくカルティエのタンクフランセーズをプレゼントし、そしてさらにその後結婚指輪もカルティエで購入しました。
僕のパシャCと妻のタンク
若干話が逸れましたが、購入以降休日以外はほぼ毎日身につけて(休日でも身につけてることがほとんどでしたが)、オーバーホールも2度依頼したくらいお気に入りのパシャC。
でもここ最近ちょっとした不具合に悩まされていました。
パシャCの留め具は、左右から折りたたんで留める「観音開き」と言われるタイプの留め具です。
こういうタイプだと、腕時計にありがちな「留め具の無駄な存在感」が皆無になりスッキリとした見た目になります。
とても美しいデザインだったのに、ここ最近いくら留めてもパッカパッカパッカパッカすぐに外れちゃう現象が起きてました…(観音開きがパッカパッカっていう響き、エロシズムを感じるのは僕だけでしょうか?あーそうですか)。
初期症状としては手首の関節を曲げた時に限って発生しており、通常使用はなんとかしのげるくらいのレベルだったのですが、ここ最近は何もしてなくてもパッカパッカパッカパッカ…
何をやっても、いやむしろ何もやってなくても留め具が外れてしまって、もはや腕時計の体をなしていない腕時計…
調べてみるとこの現象、長くパシャCを使っている人には結構発生しているらしいです。
ウェブ上にも同じ事象が散見しますし、偶然にも同じモデルのパシャCを、僕と同時期に購入・所有していた、友人であり ほほえみの空湯舟つるや の若旦那も同じ現象が発生していました。
いろんな時計屋さんに問い合わせてみるも、そのほとんどが「出来ない」「出来たとしてもパーツをメーカーから取り寄せになるので時間もかかるし料金も数万円」とけんもほろろな返事しか頂けず。
市井の時計屋じゃ埒があかないと仙台のカルティエに問い合わせてみると、本店に送って修理になるので一週間ほどお預かりになるとのこと。
時計本来の機能としてはスマホなどで代用出来ますが、それこそ10年以上ほぼ毎日身につけていたモノが、例え一週間でも手元から無くなるというのは、正直不安以外の何物でもありませんでした。
結局若旦那と僕は留め具の部分にセロファンテープ貼って「セロファンカルティエ」とか互いに言い合い、互いにディスり合いながらダマしダマし使っているという非常に香ばしい状況で現状をしのぐしかありませんでした。
毎朝背中を丸めて高級時計にセロファン貼る姿はおそらく滑稽だったことでしょう。
家のセロファンの消費量もハンパなく家族からのブーイングに耐え、携帯用に小サイズのセロファンをビジネスバッグに忍ばせて、せっせせっせとセロファン貼る行為はもはや毎日のお約束、様式美になっておりました…
僕のセロファンと若旦那のセロファン
カルティエ銀座店でお直し可能との情報
そんな折、若旦那から一本の朗報。
東京出張の際立ち寄ったカルティエ銀座店で留め具の故障を一瞬で直してもらえたとのこと。
なおかつ御値段無料。
セロファン卒業した若旦那がしたり顔で自身のパシャCを見せびらかしたときの敗北感はとても一言で言い表わせるものではありません。
でもやっぱりいいよね、ノン・セロファン。
しかも無料でやってもらえるなんて、今風に言うと神対応ですよ。
カルティエ銀座店に行く機会を伺い続け、ついに東京出張の予定が入りました。
移動日は平日だったんですが、カルティエ銀座店の営業時間は20時まで。
普通にチンタラ業務をしてから移動したら間に合わない。
移動時間を逆算し、鬼の形相で業務をこなし、駅まで車をブッ飛ばし、なんとか早めの時間に新幹線に飛び乗りました(何時に乗ったかを書いちゃうと、いろんな方面からいろんな文句やいろんな説教が来そうなので辞めておきますが、19時前には東京駅に到着していたことをご報告申し上げます)。
ちなみにそのとき持ってたビジネスバッグにも当然セロファンを忍ばせており、おもむろに取り出しては「こいつとも今日でおさらばか」と若干シュールな気持ちになりながら駅弁貪りました。
セロファンカルティエ卒業
電車を乗り継ぎ銀座に到着。
以前の僕ならApple Store銀座店に直行していたはずですが、今回は全く眼中無し。
一直線でカルティエ銀座店に向かいました。
そして辿り着いた銀座店。
さすがに重厚感と威圧感のある佇まいで、店内にはきちんとした格好のお客様とスタッフの方々。
だいぶ自分が浮いてる事実を感じながら時計修理目的の来店であることを伝えると、地下のサービスカウンターを案内されました。
なんなのこの威圧感?
地下のサービスカウンターも威圧感
幸いこの時間帯はお客様が少なく待ち時間無しで受付して頂けましたが、留め具の故障である旨伝え、スタッフさんにパシャC渡したとき、セロファン剥がす様を見られて控えめに「プッ」と笑われたのがこの日の一番のご褒美です。
でもいくら若旦那の情報があったとは言え、他の時計屋で数万円とかいろいろ言われていたので、一体おいくら万円かかるのかとドキドキしながら僕のセロファンカルティエはカウンター奥のオペ室に入っていきました。
備え付けのソファに座って待つよう促され、冷たいレモンティーをサービスで頂くことに。
確実に市販のレモンティーだと思いますが、カルティエ銀座店という場所ということもあり、異常に美味しかった記憶があります。
待つこと3分。
「お待たせしました、渡邊様、修理が終わりましたのでご確認下さい。」
との声。
早えーよ、レモンティーほとんど飲んでねーよとか思いつつパシャCを腕に付けてみると、当たり前なんですがちゃんと留まるんです!
手首をブルンブルン捻っても、パッカパッカ開かない。
そして気になる御値段は、パーツ交換が不要なのでやっぱり無料とのこと。
高級時計買ったんだから、修理費が高級だったとしてもブツブツ言わずに払えよとの声も聞こえて来そうですが、タダより高いものは無い、まさに神対応です。
ありがたい。
残ってたレモンティーを一気に飲み干し、大満足でカルティエ銀座店を後にしました。
オペ直後のパシャC。オペ時間3分。
やった!パッカパッカしねえー!
ここからは今回感じたビジネス論。
世の中にはいろんな会社があり、いろんなサービスがあります。
会社によりその質が料金や販売額に反映されていますが、カルティエの場合まさにという感じです。
モノの価値に将来的なサービスも含めての販売。
ジャンルは全く違いますが 以前に投稿 したスノーピークにも同じ匂いを感じます。
単純に高価だ高級だと見られがちですが、こういうアフターサービスも含めた価格だと思えば安いもんです(いや安くはないけどね)。
特にこのご時世、時計の機能はスマホでも充分代用が効きますから、腕時計は装飾品・嗜好品という意味合いが強くなってきています。
必要にかられて買うモノではなく、好きな人が買うモノであれば、アフターサービスが充実しているというのは、セレクトする上で大事な要素のような気がします。
もちろんそれは利用者次第なんですが、小売店でもサービスを売りにする会社でも、きちんと考えておくべきなのかもしれないですね(これも会社の方針次第ですが…)。
娘が成人したらあげるんじゃい!