山形県河北町のお直しジョージさんでお気に入りのジーンズをリペアして頂きました

誰でも1本は持っていると言っても過言ではないファッションアイテムの王道ジーンズ。
コンサバにでもカジュアルにでも、モードでもストリートでもハマる稀有なファッションアイテムです。
破れてもサマになってしまうのもジーンズのすごいところですが、キレイ目で着こなしたいときはちと辛い。
せっかくのお気に入りのジーンズがリペア出来なくてタンスの肥やしになっていたりしませんか?





デニムのリペアを引き受けてくれるショップが少ない

そもそも論なんですが、ジーンズやデニム素材のアイテムのリペアを引き受けてくれるショップってあまりにも少ないと思いませんか?
購入したショップ(セレクトショップなのでダメ元ですが)に持ち込んでも当然ダメ、ジーンズ専門を謳うショップに持ち込んでも「裾上げしかやってません!」と門前払い。
ジーンズ専門店じゃねーのかよ!?と憤慨すると同時に、リペアを依頼したいくらい気に入っていたジーンズがリペア出来ないというのはとても悲しく感じてしまうものです。
新品の状態から徐々に色落ちして育っていく様を楽しみながら、自分のコーディネイトに取り入れていけるジーンズは、ある意味そのジーンズを履いていた時期の自分と同化しているような、妙な愛着を感じるものです。
でも激しくダメージ食らっちゃったジーンズは泣く泣く廃棄せざるを得なかったり、タンスの肥やしになっているという経験、ちょっとでもファッションに興味を持っている人なら誰にでもあるんじゃないでしょうか?

私感ですが、ジーンズは破れてもサマになってしまうアイテムではありますが、それも限度があるというか、(ファッションと身体の)スタイルにもよると思っています。
若いときはダメージデニムでもそこそこハマってしまうのかもしれません。
事実学生の頃は名品 LEVI’S 501 をボロボロになるまで履きつぶし、当時流行っていた裏原宿系やスケーター系のストリートブランドのTシャツなんかと合わせていました。
でも壮年になってダメージデニムというのは自分的にどうなのかと(イケメンだったりモデル並みにスタイルが良ければダメージデニムでもカッコいいんでしょうけどね)。
特に僕はここ数年、昔好んだストリート系ど真ん中なファッションではなく、細身でキレイ目なストリートファッションを好んで身に付けています。
カジュアル過ぎず、案外フォーマルにもいけてしまうような恰好をしているため、所有しているジーンズもオーバーサイズ目ではなくストレートスリム。
キレイ目な格好にもジーンズはもちろんハマるんですが、激しすぎるダメージデニムはちょっと敬遠しがちになってきました。

何年か前に購入した某ブランドの細身のジーンズ。
シルエットも何もかもがすごく気に入っているアイテムですが、気に入っているがゆえに使用頻度も高くなり、バックポケットが少し裂けてしまったのと、ヒップの生地が薄くなり今にも裂けてしまいそうです。
このままだとまたタンスの肥やしになってしまう。
そうなる前になんとかリペアを施して欲しいと、以前からSNS上で評判だったリペアショップにお願いしてみることにしました。
そう、山形にジーンズをリペアしてくれるショップが存在しているんですね。


山形にお直しジョージさんという魅力的なローカルショップが存在した

そのショップとは、山形県河北町で営業されている ジーンズリペア & カスタム お直しジョージ さん。

僕の知り合いの方々は早くからこちらさんを利用しており、その評判がとても良いのは存じ上げておりました。
ショップのSNSも頻繁に更新しており、とても興味深く閲覧させて頂いています。
また、オーナーさんのSNSを閲覧すると
「あー、これ僕も聴いてたなー」
というアーティストが好きだったり、僕もハマったいろんなカルチャーがお好みのようで、すごく気になるショップでした。
オリジナルのアパレルも展開しているらしく、いつかは行ってみたいと思っていましたが、前述のように自分のジーンズがやつれてきたため、これ幸いと足を運んでみました。

まずビックリしたのは、大変失礼なのを承知で書きますが、こちらのお直しジョージさんの店舗、とても田舎にあります(僕なりの最大限の敬意です念のため。理由は後述)。
住所をナビやGoogleマップで検索・運転して、本当にこの辺に店舗があるのかなー?と不安になってきた頃に店舗が見えてきます。
店内に足を踏み入れると、昔足繁く通った古着屋さんのような雰囲気。
オーナーさんの好きなモノが所狭しとディスプレイされており、とてもいい感じのショップです。

ONAOSHI-GORGE-SHOP
店内の写真を撮るのを失念したのでWeb上から転用しました


実際に足を運んで感じたことは、オーナーの庄司さんは河北町出身とのことで御自身の出身地でショップを開店したことになり、そこに強烈なエネルギーみたいなものを感じました。
だって本当に周りに何も無いんだもんw(僕なりの最大限の敬意ry…もういいですか?)。
素人考えですが、利益を追求するなら首都圏や仙台、せめて山形市内で展開した方が絶対に有利なはずなんです。
誰でも必ず持っているジーンズというアイテムを相手にしていらっしゃいますから、潜在的なマスは多いんでしょうけどね。
それでもこの立地をあえて選んで営業しているというのは、ある意味利益追求を放棄しているとすら感じてしまいます。
これはすごくパワーがいることだと思いますし、単純にすごいことだと思いました。
僕自身、こちらさんの立地にデジャブを感じるようなド田舎生まれのド田舎育ちです。
今は別のところに住んではいますが(それでも天童市ですから田舎には変わりないんですが)、やっぱり生まれ育った地元というのは常に気になるものです。
しかし僕には “地元のド田舎で(第一次産業以外で)生業を立てる” という根性ある生き方は出来ませんでした。
でもこちらさんは「地元の」「地域の」「ローカルの」ショップとして存在しています。

客視点ですが、この「ローカルショップ」って存在してくれることのありがたみみたいなものを感じることが多々あります。
ショップですから何かを買うことが出来るという存在意義は当然なんですが、そこに集うと仲間が増えていくというのがローカルショップの最大の魅力だと思っています。
また、時の流れというか、その場所に戻れば時間の流れを感じられて、ネジを巻き戻した時計のように止まっていた時間が動き出すような感覚になります。
ショップで知り合ったクソガキだったあの子が、今はその道の第一人者になってるとかね。
また、ローカルショップのクルーの皆さんは超現場主義の方々ですから、初めて行った他地域でも自分の存在をきちんと話せば、その地域の情報を教えてくれたり仲間に入れてくれたりすることもとても多いです。
つながる時間とつながる地域、それがローカルショップの存在意義だと思います。

こちらのお直しジョージさんには、そのローカルショップ感がビシビシと伝わってきました。
何度も何度も申し訳ありませんが、ド田舎に存在していることに意義があるというか、そこに存在している必然というか、意地とプライドみたいのものが感じ取れます。
こういうショップであれば自分の大事なジーンズを預けても大丈夫と思わせてくれるショップで、正式にリペアを依頼、仕上がりをとても楽しみに待つことになります。


めちゃくちゃ良い仕事して頂きました!

オーナーさんからリペア完成との連絡を受け仕上がりを見てみると、とても何か手を入れたように見えない、すごく自然な仕上がりで期待以上のリペアでした。

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バックポケット。上がリペア前、下がリペア後。ダメージ食らっていたのがウソのよう。

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ヒップの補強。上がリペア前、下がリペア後。ヨレヨレ感が無くなりました。

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裏返してヒップのリペアを見る。一度解体してから補強したとのこと。相当頑丈そうです。

こんなに完璧なリペアを見ると、今までハードにダメージ食らいすぎて廃棄してしまったジーンズがもったいなかったなと本気で思う出来です。
オーナーさんにブログ記載の旨を許可頂く際に仰っていた言葉がとても印象に残っています。
「こういう風にリペア出来るということを知らない方がまだまだ多いので、ぜひ書いてください。」
ですよね、僕も知っていたらもっと早く利用していましたし、今後また利用したいと思っています。
またリペアだけでなく、オリジナルのアパレルもハードコアなロゴが施されていたりカッコいいモノがたくさんありました。

現在はファストファッション全盛で、安価でそれなりのモノが簡単に手に入ってしまいます。
それは手軽にファッションを楽しむという意味では全く否定しませんが、安価で簡単に入手できるモノであるが故に、モノへの愛着が希薄になりすぐに廃棄してしまうという、俗にいう超消費社会であるということでもありなかなか寂しいものです。
お気に入りのアイテムをリペアしてでも長く楽しむ行為は、すごく色気があることに思うのは僕だけでしょうか?(僕だけですねすいません)。
誰もが持っているジーンズですが、綺麗にリペアしてくれるローカルショップがあるということをご存じない方もたくさんいらっしゃることでしょう。
このエントリーがその一助になんて偉そうなことは言えませんが、そこに存在してくれてありがとうございますという感じのローカルショップです。
「遠いー」とか「アクセスがー」とか文句言う輩は行かなくていい、むしろ行くな行かないでくれ。
強烈なアイデンティティを放つローカルショップの色気が分かる方には、強烈におすすめなショップです。
お直しジョージさん、改めてこの度は完璧なリペアありがとうございました!
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
今後もジーンズが壊れたら依頼させていただきます。
また、オーナーさんが好きなカルチャー、僕も結構語れるクチだと自称していますので、機会があればそんな話も出来たら嬉しいです!