【Music】バブル時代の名曲を改めて聴くとメチャクチャカッコいい

「温故知新」とはよく言ったもので、昔流行った音楽を今聞くと新たな発見があります。
昨年リバイバルブームになった曲から、バブル時代に流行った曲を改めて掘り下げて聴いてみたら今更ながらにメチャクチャカッコいいと感じました。





バブリーダンス

昨年リバイバルしたのが荻野目洋子さん。
再ブレイクのきっかけとなったのは、大阪府立登美岡高校ダンス部が「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」に合わせたバブリーダンスで、全国高校生ダンス選手権準優勝に輝きその後年末まで各局に引っ張りだこであったことは記憶に新しいところです。

キレッキレのダンスが話題になり、もちろんそのダンスもとても凄くて素晴らしいんですが、挿入歌も良くてウチの子供たちもすっかりハマってしまい、同曲を購入してしまいました(ちなみに登美岡高校ダンス部でYouTube検索すると、彼女たちのドキュメンタリーチックな動画がたくさんアップされており、それはそれですごく泣けちゃいます。若い子が頑張ってる姿って感動するよね)。
上述のダンス動画、挿入歌は「ダンシング・ヒーロー」をメインに、当時流行った曲をリミックスしてるんですね。
一般にバブル時代とは安定成長期の1980年代後半から1990年代初頭の好況期のことだと理解しています。
1977年生まれの僕は、当時中高生だったので正直バブル時代のリアルタイムな記憶はありません。
でも、テレビから流れてくるバブル時代を代表する音楽があまりに衝撃的で、当時一世を風靡した伝説的なディスコ「ジュリアナ東京」で流れていた曲をエイベックスがリリースした「JULIANA’S TOKYO」シリーズは全て購入していたおませな男の子で、そのアルバムでハードコアテクノやハイパーテクノに初めて触れたのを覚えています(ちなみに所有していたJULIANA’S TOKYO Vol.4は100枚に1枚のゴールドディスクが当たったんだぜ)。
話は戻って、このダンス動画のリミックスされた曲が結構いい感じで、バブル時代に流行った音楽を改めて再聴するきっかけになりました。


バブル時代の名曲達

よくテレビ番組などでも流れ、登美岡高校ダンス部の動画にも使用され、バブル期と言えば必ずジュリ扇と一緒に思い浮かぶのが「CAN’T UNDO THIS!!」と「James Brown Is Dead」でしょう。

CAN’T UNDO THIS!!

James Brown Is Dead

改めてこのご時世にちゃんと聴いてみると、かなりカッコいい曲なんですよね。
俗にいうオールドスクールハードコアテクノで、高速過ぎないテンポ、けたたましいピアノロールと跳ねるようなベースライン、ブレイクビーツとチープな女性ボーカルの多用、そしてエグいくらいのシンセサイザーと、否が応でも高揚感を煽られます。
「バブル経済」等のテロップとともに、お立ち台の上で羽根センス(ジュリ扇な、ジュリ扇)を持ったボディコンのギャルが踊り狂っている映像が流れていれば、当社比90%の確率で「CAN’T UNDO THIS!!」がBGMで当てられています(意外なようですが実は同曲は1992年のリリースであり、リリース時には既に「バブル経済」と呼べるような状態ではなかったらしいです)。
また、「ジェームスブラウンが死んだ」という衝撃的なタイトルを冠した「James Brown Is Dead」(実際リリース当時ジェームスブラウンさんはご存命)。
当時のどの楽曲にも負けない強烈なオーケストラヒットと特徴的なボイスサンプリングとタイトル、ボトムの効いたバスドラムに当時としてかなりの高速テンポ、タンゴのようなオケフレーズとその激しさに相反するようなチープなメインフレーズが人々の耳に残り、ジュリアナ東京ブームしかり正に「世界で一番売れたテクノ」となりました。
バブル時代に流行った曲ですから、どちらも高揚感やアッパー感、フック感がものすごく、いい意味でお気楽でアホっぽい、当時の世相が反映した曲とも言えます。

余談ですが、当時青春真っ只中だったバブル世代の人たちは口々に「何をやっても面白い時代だった」とおっしゃいます(思い出話なので話を盛るところがあるとは思いますが)。
しかし1990年代初頭にバブルははじけ、以来この20年あまりは「頑張るのが当たり前で、頑張ってもほとんどが報われない」時代になってしまいました。
バブル時代を「あの頃は良かった」と、羨望や嫉妬をまじえて眺めたり、思い返したりするのも無理はありません。
僕ら市井の人間にとってバブル時代が今と決定的に違うのは「スマホとインターネットがない」ことでしょうか。
これ、結構地味なようですが大きい違いです。
こういったインフラやガジェットがありませんから、バブル世代は会いたい人には会いに行っていたし、やりたいことは情報収集の前に「とりあえずやってから考えて」いたそうです。
LINEでインスタントに会話している今の若い子にしてみたら、女の子に告白するのに家の固定電話に電話して、親が電話口に出てガチャ切りとか想像もできないでしょう。
恥ずかしい経験をSNSで晒されることや、失言を見ず知らずの相手からネット私刑されることもありませんでした。

よくSNSだと驚くほどガラが悪いのに会うといい奴みたいな人、最近多いじゃないですか。
でも僕はバブル世代の方々の行動力を鑑みると、ネット弁慶をやめて直接ぶつかったり話したりしようと奮起させられるんです。
バブルの頃はナンパに励んで失敗しても「次にいこう」と思えていたのに、今はストーカーをしたりSNSで嫌がらせをしたりする輩もいます。
当時は人間関係がフラットで、「コミュ力」なんて言葉はなかったけど、総じて皆んながコミュ力高かった気がします。
なぜなら、相手に会わないと話にならないから。
また今ではその辺で知らない人に声をかけたら変人扱いですが、バブルの頃は新しい出会いが新しい世界をもたらすことも多かったんじゃないですかね?
浮かれた時代とバカにする人も多いけれど、陰湿で疲弊した時代よりもずっとまともでずっといいと思うんですね。
今の若者は十把一絡げに「バブル世代むかつく!」と言いますが、毎日忙しく大して儲かっていなくても「頑張ればそのうち自分も」と思える明るさのあった時代だったとは思うので、若い世代の嫉妬もまた正しいと言えるのですが、素直に「バブル時代よもう一度」と思うのが正直なところです。

あの頃ぶっとんでいた宮沢りえさんも、40代になった今では同じようにぶっとぶことはできないかもしれません。
でもぶっとびたくなる気持ちはいつだって持つことができます。
ネタにされるばかりのバブル時代ですが、良かった点を今振り返ってみてもいいのかもしれません。
そういった意味ではバブル時代に流行った曲を聴き直してみて、陰湿で疲弊した時代に流行ったジメジメした曲よりも、無駄なアッパー感を味わえて無駄に気力が湧いてきたような気がしています。
バブル世代の方々、ぜひ当時の曲を僕と聴きながら、僕に当時のおったまげ話やぶっとび話を教えてください。