Apple Music
以前から、「来るぞ来るぞ」と噂され、ついにAppleも音楽ストリーミングに参入する日が来ました。
6月のWWDCで発表され、本日(米国時間6/30)、Apple Musicがスタートです。
そして手前味噌ながら、我々everything-differentの音源もApple Musicにてストリーミング開始しました!
Appleがストリーミングに参入する意義
音楽ストリーミングと聞くと、「Spotify」「Google Play Music」、国内では「AWA」や「LINE MUSIC」などの、既存のストリーミングサービスに対して直接のライバルとなり比較されがちですが、音楽配信だけにとどまらないAppleならではの多彩な機能が用意されています。
主なサービスは、3本柱となる音楽ストリーミングサービス+iTunesライブラリのクラウド化です。
Apple Musicはあらゆる音楽ストリーミングサービスを集約しており、「ミュージック」アプリ1つで音楽シーンを総合的に楽しめるようになっています。
1本めの柱は、アップルが“革新的な音楽配信サービス”と謳う「ミュージック」。
日本では数百万曲の音楽が聴き放題となるほか、アルゴリズムによる楽曲レコメンドや、音楽エキスパートが選ぶオススメ音楽などが届けられます。
公式サイトでは、知識豊富な専任のエキスパートチームによるレコメンドサービスを前面に押し出しています。
彼らは実際にライブ会場に足を運び、新進気鋭のアーティストや隠れた名曲を探すそうで、良質な音楽を見つけ出そうという情熱が伝わってきました。
今後Apple Musicから新しい音楽シーンが生まれるかもしれません。
2本めの柱はJ-Popからクラシック、ディズニーまで幅広いジャンルを網羅したラジオステーションサービスです。
なかでも「Beats 1」は、Appleによる24時間オンエアのグローバルなラジオステーションとでも解釈すればいいでしょうか。
ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンのスタジオから、厳選されたトップDJたちが世界100カ国以上に向けて、キュレーションした音楽を届けます。
本物のラジオ番組よろしく、アーティストの独占インタビューや音楽業界の最新情報もキャッチできるそうです。
音楽好きにとってはチェックするチャンネルがまた1つ増えることになりそうですし、何気に英語の勉強にも役立ちそうです。
好きなアルバムやアーティストを選ぶことで、自分専用のラジオステーションを作ることもできます。
3本めの柱はアーティストとユーザーをつなぐ「Connect」。
ミュージシャンが楽曲制作の裏側や最新曲などを投稿し、ユーザーがその投稿に対して直接コメントを残すことができます。
アーティストが主体となった音楽SNSのようなイメージでしょうか。
個人的には「Connect」はかなり微妙かなと思っています。
何故ならばAppleは過去に「Ping」というSNSライクなサービスを展開し大惨敗しているからです。
過去の惨敗をどう生かすのかが「Connect」成功の鍵でしょうか?
満を持してサービスインしたApple Music。
前述した既存サービスは先着の利の他に、SpotifyやGoogleなどは広告表示による無料サービスの提供という優位性があります。
しかしAppleはすでにiTunes Storeによる各レコード会社への契約等の資産があります。
テイラー・スウィフトの抗議などでスタート前からなにかと話題だったApple Musicですが、これは同時に、Appleが人気あるインディーのアーティストを惹きつける力があることを証明するものとして、非常に象徴的だと感じました。
まさにここにAppleがストリーミングに参入する意義があると思います。
世界をリードするAppleが展開するサービスだからこそ、ユーザーを熱っぽくさせられるのでは?とも感じます。
またApple MusicのConnect機能により、アーティストはファンに対してソーシャル・ネットワークのニュースフィードのスタイルでビデオや楽曲を含む独自のコンテンツを提供することができます(Connectの出来次第ですが)。
実際の使い勝手はどうなのか、私自身触り始めたばかりなので不安材料も多少ありますが、これだけボリューミーで本当に月額980円なら、かなり充実した内容と言えます。
Apple Musicでバンドの楽曲をストリーミング配信する意義
さて、冒頭で書きました様に、我々everything-differentの楽曲もApple Musicサービスインと同時にストリーミングを開始しています。
また先だっては国内のストリーミングサービスである「LINE MUSIC」でも同様です。
Apple MusicもLINE MUSICも、ユーザーの負担する金額は明示してあるものの、アーティスト側への対価に関しては曖昧です(私が知らないだけかもしれませんが)。
アマチュアではありますが、既に我々もiTunes StoreやAmazon MP3等で楽曲を販売しており、ストリーミングによって定額で音楽を「叩き売られる」より普通に販売している方がいいのではないか?と不意に思いました。
そう、私にとってストリーミングサービスは「叩き売り」感がしてなりませんでした。
これは自分がアーティスト・バンドマンであるから感じることなのかもしれません。
自分から自分を安売りしたくない、そんな気持ちが強く、音楽ストリーミングサービスは便利だと分かっていても興味もありませんでしたし、使おうとも思っていませんでした。
しかし、昨今の若者たちは今や「YouTube」で音楽を聴いている子達が非常に多いそうです。
私は「YouTube」は動画を観るサービスと思い込んでいたため、変に感心させられました。
確かに私自身好きなアーティストのPVを閲覧したりしますからね。
モバイスデバイスが普及に伴いインフラも強化され、パケ放題などの環境が整ったが故の現象なのかもしれません。
でも、アーティスト側から見ればこの事象、非常に由々しき事態です。
「叩き売り」ならまだ許せますがこの事象は「タダ」ですから。
自分の作品「タダ」ですから。
また、聴き手は無料で楽しめていいのかもしれませんが、それがもし違法にアップロードされたモノであったとしたらと考えると、決して健全な音楽の楽しみ方ではありません。
AppleはこれまでiPodやiTunesで世界の音楽シーンに改革を起こしました。
少なくとも私にとって、音楽との付き合い方を変えてくれたのがAppleです。
そんなAppleだからこそ、今の楽曲購入軽視な音楽への歪んだアプローチをストリーミング配信で変えようとしているのではないでしょうか?
そしてストリーミングで気に入った曲はiTunesで販売するというフローを作ろうとしているのではないでしょうか?
アーティストとファンをリスペクトし、現状にマッチした音楽へのアプローチ、それがApple Musicなのではないでしょうか?
一時期の狂ったようなAppleに対する熱はここ最近落ち着いていました。
「別にAppleじゃなくともよい」
「Appleが使いやすいから使っているだけ」
ここ最近はそんな気持ちでしたが、やっぱり私は根本的にAppleが好きなようです。
なにせ、私の生活を激変させてくれたのがAppleのプロダクトであり、サービスだった訳ですから。
そして私の勝手な思い込みですが、アーティストとファンをリスペクトする姿勢をApple Musicからひしひしと感じられる訳ですから。
Apple Musicが始まるんであれば、そこで配信しようと思う気持ち、分かって頂けますか?
この先Apple Musicが私の生活をどのように変えてくれるのか?
とても楽しみです。
そして我々の曲がどの程度聴いてもらえるのか?
下世話な方面でもとても楽しみです。