【Music】MONDO GROSSO の新作「何度でも新しく生まれる」が心地よい

大沢伸一さんのソロ・プロジェクト、MONDO GROSSO が14年振りとなる新作アルバム「何度でも新しく生まれる」をリリースしました。
昔から好きだった MONDO GROSSO、久々の新作はいい意味でポップになりとても耳障りの良い上質な作品でした。
でも音楽性の幅の広さは昔と変わらず、昔のファンはもちろん新しいファンまで獲得出来そうなアルバムです。





MONDO GROSSOとは

モンド・グロッソ(MONDO GROSSO)は、日本のバンド及び大沢伸一のソロプロジェクトである。
バンド名はイタリア語で、「大きな世界」という意味。
楽曲のジャンルはクラブ・ミュージックが中心。
ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ボサノヴァ、R&B等、その音楽性の幅はきわめて広く、対照的にハウスやブレイクビーツ、テクノといったデジタル音楽がベースの楽曲も数多い。

Wikipediaより引用


音楽家で DJ などで活躍している大沢伸一さんのソロプロジェクトとして始動した MONDO GROSSO 。
1993年の 1st Album である「 MONDO GROSSO 」でデビュー、バンドとしては96年に解散し、大沢伸一さんが楽曲によって様々なアーティストをフィーチャリングするソロ・プロジェクトとなりました。
以降もその時代時代の革新的な音楽性を求めながら 「MG4」、「Next Wave」などヒット・アルバムをリリースして様々なアーティストとフィーチャリングして数々の楽曲をリリース。
僕が好きな理由はいくつかありますが、一言で言ってしまうと都会的なセンスの良さです。
和製アシッドジャズとして新しい分野を開拓しましたし、事実それまでのアーティストにないセンスの良さを持っていたように思います。
さらに、様々なアーティストとコラボすることでアルバムごとに楽曲の色も趣向も全く違っています。
ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ボサノヴァ、R&B などなどジャンルを絞らないことが魅力でした。
ソロ活動なんですが、その時々で色んな顔を見せてくれる。
でもその空気感は MONDO GROSSO そのもの。
2004年のベストリミックスである MONDO GROSSO best remixes をラストに MONDO GROSSO としての活動は事実上休止の状態でしたが、2017年ついに復活しました。


先行シングル「ラビリンス」は満島ひかりさんとコラボ

今年4月、先行シングルの「ラビリンス」は女優の満島ひかりさんをボーカルとして迎えました。

いやーこれですよこれ。
昔からジャンルを問わずいろんな人とコラボするんですが、しっかり MONDO GROSSO の音なんですよね。
ハイセンスで都会的で、浮遊感抜群でそれでいて心地いい。
人選もいいよね、今をときめく満島さん。
ヘタこくとビッグネームの満島さんに喰われてしまいそうなものなのに、しっかり MONDO GROSSO の世界観で包括しています。
この懐の深さというか、全てを包み込んでしまう大きさは昔っから全く変わっていません。
来たるフルアルバムが非常に楽しみになる先行シングルでした。


新作「何度でも新しく生まれる」

満を辞してリリースされた新作「何度でも新しく生まれる」。
まず驚いたのはタイトルもそうですが、コラボしたアーティストが全員日本人で、全楽曲日本詩だということ。
僕が知りうる限り、全曲日本語ボーカル曲というのは MONDO GROSSO 史上初のはずです。
MONDO GROSSO らしくないといえばらしくないとも言えるんですが、MONDO GROSSO らしいっちゃらしいとも言えます。
むしろ長い間活動休止していたからこその全曲日本語ボーカルなのかな?とも思えます。
大沢さんは休止している間、日本の音楽シーンをずっと見てきたんでしょう。
そして、現在の音楽シーンは90年代に自身が切り崩そうとしたJ-POPへの野心的な挑戦が滞っていると感じたのだと思います。
であれば、MONDO GROSSO としてまた音楽シーンを切り崩す要素のひとつになりたいと思ったのではないでしょうか。
もともと MONDO GROSSO は日本とか海外とかをセグメントしない視点を持っているので、ここで敢えて日本語曲を作るという、そういうバランス感覚大好きです。
視聴するとリリックは日本語ですが、現在の日本の音楽シーンのことは逆に意識しないようにして曲を作っているように感じます。
一聴した時は昔と比べてJ-POPに寄ったなあと感じましたが、聴き込めば聴き込むほど昔と変わらない軸を感じられます。
聴いていて気持ち良いのは昔と変わらず、コラボする人選もボーカリストだろうが女優だろうがアイドルだろうがやっぱり MONDO GROSSO の色になってしまうっていうのが恐れ入りましたというのが正直な感想です。
それにしてもこの作品は聴いていて気持ち良い。
1曲めの 「TIME [Vocal:bird]」からグッと心を鷲掴みされちゃいます。

日本語のボーカルって、僕の中では何か作業をするときに聴くというには向かないと思ってたんです。
作業中に日本語が頭の中に入ってくると、その作業に全く集中できなくなってしまうため、そんな時はイージーリスニング系の曲か洋楽を垂れ流しておくのが常でした。
しかし今回の MKONDO GROSSO の新作は全曲日本語ボーカル曲なのにも関わらず全編気持ち良く視聴することができるのはもちろん、作業中に聴いていても全く邪魔にならない不思議なアルバムでした。
もちろんしっかり聴くと、相変わらずのセンスの良さに同じ打ち込みの音楽をやっている者としてすごく参考になる作品です。
必然的にかなりヘビーに聴くことになるアルバムだと思います。
また、MONDO GROSSO は今年の Fuji Rock Festival ’17 にも出演します。
あー、久々に苗場に遊びに行って MONDO GROSSO で踊り狂いたいなー!
「何度でも新しく生まれる」、オススメです!

mondogrosso