365日のシンプルライフ

自分の身の周りを見回してみましょう。
“モノ”が溢れかえっていませんか?
シンプルな生活を心掛けたいとは思えど、気付けば物欲に負けた調度品や生活必需品。
この度、一昨年公開されたフィンランド映画「365日のシンプルライフ」という映画を1日だけ上映するとのことで、この状況を打破出来そうなヒントをもらいに視聴に行きました。





モノのない生活

 

映画『365日のシンプルライフ』オフィシャル・サイト

 

フィンランドからやってきた
「人生で大切なもの」を見つけ出す365日のモノがたり

フィンランド人の若者が、失恋をきっかけに、自分の持ちモノすべてをリセットして行なった365日の”実験”生活。
監督・脚本・主演を務めたペトリ・ルーッカイネンの実体験から生まれた「とにかくやってみよう!」のアイディアが、映画という形になった。
ペトリは、自分の持ちモノ全てを倉庫に預け、1日に1個だけ「自分にとって必要なモノ」を倉庫から持って来る。
1日目は、空っぽの部屋から倉庫まで、全裸で雪のヘルシンキを駆け抜ける…
登場する家族や友人は全てホンモノ、ペトリを中心とするリアルな人間関係と日常生活に起こるドラマが、北欧ジャズシーンをリードするティモ・ラッシーのサックスに乗って、軽快に綴られていく。

 

監督兼主演のペトリの実体験を元にしたドキュメンタリー映画ですので、淡々とストーリーが展開していきます。
自分の持ち物全てをリセットした主人公が自らに課した”実験”のルールは以下の4つ。

 

  • 自分の持ち物全てを倉庫に預ける
  • 1日に1個だけ倉庫からモノを持ってくる
  • 1年間続ける
  • 1年間何も買わない

 

やり過ぎ感満載な実験で、冒頭ではいきなり氷点下のヘルシンキで夜道を全裸で走り抜けるシーンから始まります。
そして極寒の中部屋でうずくまっているんですよ、全裸で。
狂ってる。
あとはネタバレになってしまいますので内容は極力控えますが、ドキュメンタリー故に淡々とストーリーが展開します。
迫力とか目まぐるしい展開は皆無です。
アクション映画などが苦手な私にとって、これくらい淡々とした方が観ていて小気味のいい感じがしました。

 

人生はモノでできていない

一時期断捨離なる言葉や行動が流行りました。
正直断捨離という言葉や行動は嫌いです。
何も考えず、何でもかんでも徹底的に断捨離した後に残る、モノを手放し過ぎた時の空虚感。
必要最低限のモノは揃っているけれど、遊びがまったくない感じ。
穏やかなんですが、穏やか過ぎるあの感じが嫌いです。
この映画を観る前は「流行りの断捨離推奨映画なのかな?」と思っていましたが、単なる断捨離推奨では無い様な気がしました。
流行りに乗った断捨離とかそんなことではなくて、あえてちょっと行き過ぎた実験をすることによって、自分にとっての”モノ”を吟味し、見つめ直し、そもそも”モノ”とはなんなのか?を考え直すきっかけを与えてもらった様に思いました。

必要最低限のモノが揃うまでは、要不要で考えればいいので判断基準はいたってシンプル。
でも、自分がもっと幸せになるためにと考えると、非常に悩んでしまうところです。
モノの量は幸福に比例しないということですね。

好きなモノ・大切なモノがそこにあって本当に幸せなのか?
それは単なる所有欲。
そうではなくて、大切な人、それを持つ人、与える人、誰に対しての”モノ”なのか?など、そういうことがまず先にあって、その結果の一番の象徴になるのが”モノ”なのではないか?と感じました。

さらに私は子を持つ親。
自分が生きるために必要な”モノ”、生活をより良くするために必要な”モノ”を吟味するのも大事です。
しかし自然の摂理を考えれば、親は子よりも先にいなくなる。
私がいなくなったとき、この子達や次の世代に残す”モノ”も真剣に考えるのが親の務めなのではないか?とも考えさせられました。

主人公が作中で悟った様に言った言葉が頭を離れません。

 

所有とは責任でありモノは重荷になる
どんな重荷を背負うか僕は自分で決める

 

熱くなりました。
遠い土地の違う文化の人が、似たようなことを考えてることに感動しました。
成熟した社会では似たような問題点があるということ。
それに向けて、何か行動している人がいるということ。
人生は”モノ”でできてない
“モノ”に振り回されず、自分の思う幸せとは何なのかを改めてよく考えてみたいと思う次第です。

 

蛇足ですが

北欧文化って不思議とオシャレな印象があります。
この映画もご多分に漏れず、非常にオシャレな印象を受けました(“モノ”がないのにオシャレというのも不思議な感じですが)。
iTunesで販売しており、帰宅後真っ先に購入しました。
北欧の空気感がお好きな人にもオススメですので、ぜひ視聴してみてください。

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そして同じくiTunesでサウンドトラックも販売しています。
全編ジャズでゆったり聴ける曲で、こちらも購入してみましたが、非常にいい感じです。
ご興味ある方は購入してみてはいかがでしょうか?