その男、要注意人物につき 〜勝って兜の緒を締めよ〜

日々イキがって生きております、すいません。
しかし、いくら虚勢を張ってみても、正直他人様の評価って気になるところ。
まして仕事に対する評価であればなおさらです。
この度良いのか悪いのか、ふとした事から私の仕事に対して他人様がどのように評価しているのかを知ってしまいました。
その顛末が面白かったのでエントリーしてみます。






一応真面目に仕事してます

私が勤務する会社はいわゆる「医療機器販売代理店」。
とてもカッコいい言い方をすれば、ドクターとメーカーとのインターフェースの役割を担っております。
競争が激化する医療業界にあって、その役割がますます重要になっている医療機器商社。
必要とされる医療機器を迅速に提供するだけでなく、新しい医療技術に関する情報の提供や、介護福祉サービス、さらには医療機関経営に関する情報提供など、ディーラー機能を果たすだけではなく、より総合的でかつ高度なサービスが求められています。
弊社は『循環器(心臓)疾患治療』に特化しており、その中で私が担当しているのは『不整脈治療』。
特に得意先から私に求められていると感じており、自分自身とても興味深く立会いさせて頂いているのが“高周波カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)”。
私が入社した頃は、山形県内でカテーテルアブレーションを一手に担う会社・営業マンが皆無だったため、本当に大変でした(今考えれば、入社1年目のペーペー社員をそれまで弊社内にも担当がいなかった不整脈治療専門として担当させた社長と上司の判断に苦笑いです。それでも心から感謝はしています)。
毎日毎日先生方の罵倒を浴びながら、半べそかいて立会いし、心が折れそうになったこともしばしばです。
あの頃はカテーテルアブレーションに関する教科書・文献等も少なかったのですが、それでも散々勉強して、勉強して、勉強してたなあ(業種問わず新入社員なんかこんなもんだと思いますが)。
今でも胸を張って声高に言えますが、それ以前もそれ以後も、そして今後もあの期間程勉強した時は無いでしょう。
それが血となり骨となり肉となり(多分ね、多分)、入社して十数年、会社のために、お得意様のために、患者様のために、そして社会のためにほんの少しだけでも貢献出来る様になってきたかな?とここ最近ようやく感じ始めているところです。


他社の申し送り事項に僕のことが

昔話を語り始めるとキリがないので、話を本題である先日に戻します。
無事にカテーテルアブレーションの立会いを終え先生方と談笑していた際、いつも御世話になっている先生から
「この間、メチャメチャ笑った出来事があったんだよ。」
と言われました。
なんでも、弊社で取扱している某医療機器メーカーの引き継ぎ用内部資料を、そのメーカーの営業マンが検査室内に忘れていったらしく、パラパラっとめくってしまったそうなのです。
その中には、その病院のカテーテルアブレーションの手技方法、記録装置への記録方法のクセ、各先生方の手技、そしてスタッフの情報が事細かに記載されていたらしいと。
「自分の事は悪く書いてなくて、良い事だけ書いてあってホッとしたんだー。」
と先生はおっしゃいます。
失礼ですがそれのどこが面白い話なんだろうと思っていると、先生は更に話を重ねます。
「ここから先が爆笑ポイントなんだけど、3104さんの事も記載してあったのね。1行目になんて書いてあったと思う?“要注意人物”だってさー!」


要注意人物認定

な・ん・で・す・と・?
要注意人物???
確かに私は顔面凶器、、、
立会いに入っちゃうと言葉遣いが荒い、、、
普段のメーカーさんに対する態度も横柄、、、
この業界に入って十数年の自分の行いが走馬灯の様に頭の中をグルグル駆け巡り、超ネガティブな気持ちのまま先生に問うてみました。
「セ、センセー、つ、続きはなんて書いてあったんですか、、、?」
先生曰く、実は良い事しか記載されておらず、
「不整脈とカテーテルアブレーションの知識量が異常、ディーラーレベルでは無い。」
「○○○社(そのメーカーさんの事)の製品を積極的に販売、先生方も何も疑わず何も言わず使用。」
「アブレーションの現場を陰から完全にコントロールしている。」
「そこいらのディーラーに対するようなぞんざいな扱いをすると捻り潰される可能性あり、応対に気をつけよ。」
なんて事が書いてあったらしいです。
(誇張している訳じゃありません、念のため)

うーん、褒められてるんだか、貶されてるんだか、分かんないですねえ。
でもまあ、良い様に受け止めておきますよ。
仕事上でお付き合いのある方々は、散々私の事を褒めて下さいます。
でも私は大変申し訳ないのですが話半分、いや、それ以下にしか受け取れないのです。
仕事を円滑に進める上での『つかなきゃいけないウソ』って必要じゃないですか。
そう、まさに『嘘も方便』ってヤツだと思っています。
それに私は他の会社で働いた経験もありませんし、この業界以外で働いた経験もありませんし、比較対象にするモノがないので、自分に対する周りの評価って全く客観的に見れないんですよね。
それに私は変に褒められるとどこまでも調子に乗ってしまうというのが、自分自身よく分かっていますし気をつけているところでもあります。
他人様の評価を気にするよりも誠実に仕事しなきゃと、日々自戒も込めて思っていたところです。
でも自分の知らないところで作成された書類上で、自分が好評価されていたという事実は、正直とても嬉しかったし励みになった。
自分が十数年間やってきた事は間違っていなかったんだなーと実感し、今後の仕事にもモチベーション高く、更に気を引き締めて臨む事が出来そうです。
ふと、日露戦争終結時、日本海海戦にてバルチック艦隊を撃滅せしめた連合艦隊の解散式で、連合艦隊司令長官東郷平八郎が述べた解散の辞(起草は参謀秋山真之に依ると云われる)にある一部分が頭を過りました。


聯合艦隊解散の辞

原文

神明は唯平素の鍛練に力め、戦はずして既に勝てる者に勝利の栄冠を授くると同時に、一勝に満足して治平に安ずる者より直に之を褫ふ。
古人曰く勝て兜の緒を締めよと。

現代語訳

神は平素ひたすら鍛錬につとめ、戦う前に既に戦勝を約束された者に、勝利の栄冠を授けると共に、一勝に満足し、太平に安閑としている者からは、ただちにその栄冠を取上げてしまうであろう。
昔のことわざにも「勝って兜の緒を締めよ」とある。

聯合艦隊解散の辞より一部引用


まあ勝った負けたの話ではないんですが、慢心せずに日々の鍛錬がいかに大切かを端的に表している名文です。
『勝って兜の緒を締めよ』
今後も“要注意人物”は“要注意人物”たる働きをしていきますよー!

追伸
友人でもありバンドメンバーでもある @ALEX69ROCK が悪ノリでこんな動画を作ってくれました。
うーん、いかにも“要注意人物”だねぇ、、、
やっぱり“要注意人物”ってそのまんまの意味なのかなぁ???